前回、塗って作るヘリサインの施工をご紹介しました。
下地から始まり、中塗り、上塗り、今度は文字の下塗り、と色の層をどんどん厚くしていきます。綿密な作業と丁寧に時間をかけて、一枚絵を仕上げるように一文字を塗っていきます。
ですが、「塗る」方法以外にもヘリサインを作り上げる手法があります。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2019/12/施工前1-1024x768.jpg)
【本日の現場】
地域交流センターの屋上。
防水シートの施工が完了しているので、その上からヘリサインを施します。雨風や災害に負けない、立派な屋上にしてあげましょう。
BEFORE
まだ文字の書かれていない、まっさらな屋上です。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工前3-1024x603.jpg)
AFTER
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工後1-1024x576.jpg)
手順は以下の流れになっています。6つの段階に分かれていますが、施工は約2日で完了しました!
この通りに進めていけば綺麗なヘリサインが出来上がります。ですが、各要所には施工の基軸に繋がるチェックポイントがあります。
文字だけでは想像しにくい工程を、これから1つずつ追っていきましょう。
1. 墨出しをする。
最初に、4メートルの正四角形を5つ作ります。1つのマスに1文字ですね。
これらが屋上の中心に、均等な感覚を空けて並ぶよう基準線をつけましょう。
4メートル四方の図形を測るには、定規がいくつあっても足りません。巻尺も使えそうだけれど手っ取り早く正確に直線を記すのであれば、チョークラインを使いましょう↓
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/チョークライン-1024x735.jpg)
消せるボールペンだ!
〜墨出し作業の様子〜
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/墨出し1-1024x561.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/墨出し2-1024x736.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/墨出し3-1024x717.jpg)
墨出しによって起こした線が、これからの施工の土台になります。この段階でミスがあると、全体のバランスが崩れてしまいます。取り返しのつかない失敗を防ぐため、4、5人かかりで直線の傾きや長さを何度も確認します。
2. プライマーを塗る。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2019/12/プライマー1-1024x857.jpg)
ただし匂いは…、くさい。
1時間も経たず墨出しが完了すると、描き起こしたラインに対して、養生テープが貼られていきます。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/養生-1024x514.jpg)
四角形の右上から段分けして塗っていきます。段の境界線で溶剤のダマが出来ないようにローラーを丁寧且つ素早く動かします。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/プライマー4-1024x768.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/プライマー2-1024x845.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/プライマー3-1024x692.jpg)
3. ベースを塗る。
色塗りの時間です。ヘリサイン専用の特殊な塗料を用いて、文字の背景となる、ベースを完成させていきます。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/ベース1-1024x510.jpg)
1つのマスを1人の職人さんが、プライマーと同じ手法で仕上げていきます。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2022/03/27b25070b6edea41276d2623c848ec36-2.jpg)
(1)色ムラができないように。
(2)塗り残しができないように。
気をつけながらローラーを一定のペースで動かしていきます。静かな時間です。
〜ベース塗り完了〜
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/ベース3-1024x687.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/ベース4-1-1024x687.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/ベース5-1024x658.jpg)
4. 位置取りをする。
ベースが乾いたところで、ヘリサインの要とも呼べる5つの文字の塗装に入っていきましょう。
ただし今回は塗るのではなく「貼り」ます。
こういうの。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/シール2-1024x750.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/シール-1024x574.jpg)
位置取りとは、カッティングされた文字シールを図面通りに貼るために、マスキングテープ等を用いて仮留めをしていく作業です。
墨出しが線を書き起こすのだとしたら、こちらは点を書き起こす仕事になります。
〜位置取り作業の様子〜
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/位置取り-1024x612.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/位置取4-scaled.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/位置取3-scaled.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/位置取5-scaled.jpg)
5. 文字貼りをする。
工事もいよいよ山場に差し掛かってきました。5つの文字を貼りつけて、ヘリサインを完成させていきます。
剥離紙を必要な分だけ剥がしながら貼りつけていきます。この時、粘着面が不用意に地面にくっつかないよう気をつけなければなりません。(※一度貼りつけたシールは剥がせない)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/文字貼り1-scaled.jpg)
ゴムハケを使用しながら接着面を着実に貼りつけていきます。空気が入り込んだり、紙がヨレたりしないように、道具の扱いに注意します。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/文字貼り2のコピー-scaled.jpg)
シール貼りに使用するハケは2種類あります。この使い分けを制することが重要なのです。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/文字貼り5-scaled.jpg)
(1)ゴムハケ(左 : 茶色)と(2)プラスチックハケ(右 : 白)を「貼られる側」の形に合わせて使い分けていきます。
(1)ゴムハケは、
面積が広く、平たい部分に
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/文字貼り6-1024x622.jpg)
ゴムハケは滑りにくい素材のため、シートの表面を傷つけたり、空気を入れ込んだりしません。
(2)プラハケは、
段差や凹み、限られた部分に
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/文字貼り7-1024x587.jpg)
塗装の土台となっている防水シートの段差からシールが浮かんでこないように、プラスチックの固いハケで小さな溝もしっかり埋め込みます。
一通り貼り終えたら、空気が入ってしまった部分を潰していきます。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/04/文字貼り8-scaled.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/文字貼り9-1024x683.jpg)
6. トップコートを塗る。
最後に、外気にさらされているヘリサインを雨風、紫外線による劣化から守るため、仕上げ剤を塗っていきましょう。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/クリアコート-1024x518.jpg)
〜トップコートの作業の様子〜
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/クリアコート2-1024x488.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/クリアコート3-1024x445.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/クリアコート4-1024x578.jpg)
完 成!
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2019/12/施工前-1024x768.jpg)
BEFORE〜
【全施工前】
まだ、防水シートも貼られていない屋上の様子。サインが描ける状態ではありませんでした。
〜AFTER
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工後4-1024x576.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工後5-1024x576.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工後2-1024x682.jpg)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/施工後3-1024x682.jpg)
「貼る」ヘリサイン塗装が完了しました。土台とカッティングシールの準備時間を除けば、工事期間は約2日間になります。これは「貼る」ヘリサインの強みかもしれませんね。
ですが、ヘリサインに限らず、何が最適かは現場によって異なります。工事前の状況や専門業者の方々と話し合いを重ね、適切な施工方法を見つけてあげてください。
「じゃあ結局どうすればいいの?」
⬇︎
山陽工業にご相談ください!
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2020/01/スクリーンショット-2019-12-27-12.01.40-1024x604.png)
調査・御見積は無料で承っていますので、お気軽にお問合せください。
なお、対応エリアは以下の通りです。
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2023/01/1.png)
![](https://www.sanyokougyou.co.jp/kohou/wp-content/uploads/2021/07/7d91004b6fff1ccfe845364098e9ed9f.png)
この記事を書いた人 山陽工業 よーこちゃん
・山陽工業に入社して1年目の広報社員。
・たくさんの現場を巡って、日々様々な知識と写真を集めています。
・施工管理に長けた工事監督さん、この道何十年の熟練職人さんの方々に取材を行い、建物の修繕・改修に関する情報を発信していきます。
メールでのご相談はこちら
以下の内容で送信します。
以下のフォームにご入力ください。
【※】は入力必須項目となります。