
ある日ふと愛車を見て、こんな光景に出会ったことはありませんか。
今回ご相談をいただいたお客様も、半年ほど前にご自宅の駐車場でまさにこの現象に気づいたことがきっかけでした。

この白い粉や液体の正体は天井に発生した「エフロレッセンス(白華現象)」。

コンクリートの内部を通ってきた水が、成分を溶かし出しながら表面に染み出し、白く固まったものです。
それ自体に毒性はありませんが、「コンクリートの中に水の通り道ができてしまっている」というサインでもあります。
放置すれば天井の見た目が悪くなるだけでなく、大切な車と建物内部の劣化が進む心配もあります。

今回は、築23年の戸建てコンクリート駐車場で行った、エフロレッセンス対策の散布工事をご紹介します。
エフロレッセンスそのものに毒性はなく、すぐに建物が壊れるわけでもありません。
ただし「放っておいて大丈夫」とも言い切れません。
エフロレッセンスの発生は、次のようなリスクのサインでもあるからです。

エフロレッセンスは、水がコンクリートに浸入しなければ発生しません。
この水が内部の鉄筋に届けば、サビによる膨張でコンクリートのひび割れや剥落につながるおそれがあります。




エフロレッセンスが同じ場所で発生し続けると、成分が積み重なって鍾乳石のようなつらら状(つらら石)に成長することがあります。
ここまで進むと見た目のインパクトも大きく、落下や車への付着汚れも心配です。

垂れたエフロレッセンスは、乾くと硬く固着して水洗いでは落ちにくくなります。
焦って強くこすればキズの原因になり、市販の酸性クリーナーは塗装や板金を傷めるおそれも。
無理に自分で落とそうとするほど、かえって車を傷つけてしまいかねません。
だからこそ、車を守るいちばんの近道は「そもそも付着させないこと」。
発生源であるコンクリートからの水の浸入を断つことが大切です。
「白い汚れだから」と様子見しているうちに、原因である水の浸入は静かに進行します。エフロレッセンスに気づいたら、早めに原因と対策を検討するのがおすすめです。
現場は築23年のコンクリート造の駐車場。
天井からエフロレッセンスが垂れ、駐車中の車にも付着してしまう状態でした。



エフロレッセンスは水の通り道があるかぎり繰り返し発生します。
そこで今回は、コンクリートの内部に浸透して水の通り道そのものを塞ぐ「表面含浸材」の散布を行うことになりました。

使用したのは、ナノシリカ系のコンクリート表面含浸材「CPT-2000」。
コンクリートの深部まで浸透し、内部で緻密なシリカハイドロゲルを生成することで、水の通り道となる目に見えない細かな隙間を密閉する材料です。
国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されています。

この材料、施工する側にもお客様にもうれしいポイントがあります。
それは「無色透明で、においもない」こと!
塗料のように色がつく材料ではないため、天井に散布しても床が汚れる心配がなく、床への養生なしでも施工できます。
今回養生したのは、駐車場内の木材部分のみ。
養生の手間が少ないぶん、工期やコストの面でもメリットがあります。


ここからは天井洗浄後の施工の様子を写真付きでご紹介します!
(1)エフロレッセンスの除去 専用薬品で洗浄
天井に付着・固着したエフロレッセンスを、まず専用の薬品で除去・洗浄します。
汚れを落としてコンクリート表面を整えることで、このあとの表面含浸材がしっかり浸透しやすくなります。



(2)散布前の準備 真水を循環させて機械を洗浄
散布には専用の機械を使います。

施工前に真水を循環させて機械の内部を洗浄し、あわせて散布が正しく行われるかどうかの確認も行います。
材料を無駄なく、ムラなく散布するための大切な準備です。
(3)天井に垂直・クロスを描くようにムラなく散布
ノズルを天井に対して垂直に向け、クロス(十字)を描くように散布していきます。
今回は3回塗り重ねています。
縦方向と横方向、向きを変えながら重ねて散布することで、塗りムラなく材料を行き渡らせることができます。
(4)ホウキでなぞって塗りムラを整える
散布のあとは、ホウキで表面をなぞってムラを整えます。

液だまりをならし、表面含浸材が均一に浸透するようにする一手間です。
(5)乾燥時間は約72時間
散布後は乾燥を待ちます。乾燥時間はおよそ72時間。
乾燥後は表面含浸材がコンクリートの内部で水の浸透を抑え続けてくれます。




見た目の変化はもちろんですが、今回の工事のポイントは「見えない部分」にあります!
表面含浸材がコンクリート内部の目に見えない細かな隙間を密閉したことで、エフロレッセンスの原因となる水の移動そのものを抑えられるようになりました。
無色透明の材料なので、施工後もコンクリート本来の風合いはそのまま。「工事をした感」が出ないのも、表面含浸材ならではの仕上がりです。
表面含浸材の効果は本当に持続するのか?
それを確かめるには、実際に雨の多い時期を越えてもらうのが一番です。
今回は施工後、梅雨の時期を挟んで約1ヶ月後に天井を確認しました。

1ヶ月経過後も新たなエフロレッセンスの発生は見られませんでした!

雨水がコンクリート内部に浸入しやすい梅雨時期を越えても再発が見られなかったことは、水の通り道がしっかり密閉されていることの一つの目安といえます。
今回は、戸建て駐車場の天井に発生したエフロレッセンスに対し、ナノシリカ系表面含浸材CPT-2000の散布で対策した事例をご紹介しました。
②CPT-2000は無色透明・無臭で、床養生ほぼ不要と施工の負担が少ない
③内部の細かな隙間を塞ぎ、防水性の向上とエフロレッセンスの再発抑制が期待できる
「うちの天井のエフロレッセンス、放置して大丈夫?」
そんな不安は、コンクリートの専門家に直接聞くのが一番の近道です。
山陽工業には、コンクリートの劣化診断のプロフェッショナル「コンクリート診断士」が在籍しています。
コンクリート診断士 Yさん
2013年に山陽工業に入社、2020年にコンクリート診断士の資格を取得。
コンクリートを修繕・再生する新たな技術の実現を目指し、長崎県の軍艦島にて東京理科大学と共同研究を行っている。

症状の写真を送っていただくだけでも構いません!まずはお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人 山陽工業 しほ
・2025入社の新人営業部
・広報として現場取材で得た情報や、施工の魅力をお届けします!




