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建物の長寿命化を目指して!軍艦島での共同研究

建物の長寿命化を目指して!軍艦島での共同研究
皆さんは「軍艦島」という島をご存知ですか?

明治から昭和にかけて炭鉱で栄え、一時期は多くの人々が暮らしていた小さな島です。
現在は廃墟と化した集合住宅が立ち並ぶ無人島となっています。

山陽工業では修繕した建物の長寿命化を目指し、この軍艦島で大学と共同研究を行っています。塗料やコンクリートの組み合わせを試して、建物をより長持ちさせる方法を模索しています。今回はそんな共同研究の様子を、一般の人は立ち入れない軍艦島内部の風景と合わせてご紹介します!

軍艦島とはどんな島?

世界遺産で有名な軍艦島。名前を聞いたことがある・なんとなく知っているという方も多いのではないでしょうか。

軍艦島(正式名、端島)は長崎半島沖にあります。島の大半が埋め立てによってかたち作られ、島内には朽ち果てた鉄筋コンクリート造りの高層住宅が身を寄せ合うように立ち並んでいます。

軍艦島の歴史は明治時代まで遡ります。江戸時代が終わり、明治維新を経て近代化していく日本にとって、石炭は工場・船・車・汽車等を動かすのに欠かせない重要なエネルギー源でした。その最中、軍艦島の海底から良質な石炭が発見されます。

採掘の規模はどんどん大きくなり、大量の石炭を掘るために多くの人を雇う必要がありました。ただ、海に浮かぶ島へ毎日船で行き来するのは不便なので、働く人がすぐに炭鉱へ行けるよう、加えてその家族も一緒に住めるように日本初の鉄筋コンクリート造りの集合住宅が建てられました。

島の埋め立てと共に多くの人が移り住むようになり、一時期は東京都の9倍に及ぶ人口密度を誇った軍艦島ですが、やがてエネルギー源が石炭から石油へ変わっていくと、石炭は売れないとの理由で炭鉱は閉鎖され、人々は島から立ち去らなければなりませんでした。

以来、軍艦島は長いこと放置され、その間に建物の老朽化が進み、現在のような廃墟となりました。

山陽工業の考えること

世界文化遺産に登録され、長崎を代表する観光地となった軍艦島ですが、建設会社として山陽工業が注目したいのは構造物としての廃墟にあります。

一般にはあまり広く知られていませんが、軍艦島では大学や企業などの専門チームによる調査・研究が度々行われています。長い年月をかけて劣化していた鉄筋コンクリートやその他の建物達は、研究者や建物に携わる人々にとってまだ見ぬデータが詰まった貴重なサンプルなのです。

そんな中、山陽工業では建築・構造知識に長けた大学の先生方や学生と共同で、軍艦島の鉄筋コンクリート構造物を修復・保存していくためのいくつかの実験・研究を実施しています。

弊社は「工事をして終わり」「修繕が完了したらさようなら」ではありません。10年先を見据えた工事という理念のもと、建物をより長持ちさせるため、何よりお客様に納得と満足をお届けするべく様々な観点から品質向上に努めています。
軍艦島での共同研究もそのうちの一つです。

いざ上陸!

上陸当日、天気は雨でした。
道具や機材が濡れないよう雨具で守り、小雨よりもやや強い雨粒に打たれながら軍艦島行きの船に乗り込みます。

そこから船に揺られること数十分・・・。

軍艦島に到着しました!

桟橋を渡り、長崎市の許可を得ていないと入れない立ち入り禁止区域へ入っていきます。

軍艦島の廃墟は、上の動画をご覧になっていただくと分かるように、いつ崩壊してもおかしくないほど劣化が進んでいます。そのような建物を間近で調査するとなると、大きな危険が付きまとうので安全対策のため必ずヘルメットを着用します。

地面は瓦礫や石が散らばっており非常に進みづらくなっています。雨も降っているので足を滑らせないよう気を付けながら進んでいきます。

前の人の背中についてしばらく歩くと開けた場所に出ました。周囲を見渡せばこれぞ軍艦島といった巨大な廃墟の数々が視界に飛び込んできます。

通常、廃墟の内部に入ることはできませんが、鉄筋コンクリート構造物の修復・保存の研究のため例外的に、上陸経験が豊富の先生方から探索時の注意点を聞いた上で建物内部の調査を行っています。中は想像以上にボロボロで木材や瓦礫が散らばっています。

山陽工業が軍艦島で研究しているのは

山陽工業が軍艦島で研究しているのは「コンクリートの再生とコンクリート仕上げ塗料の耐久性」「鉄部用塗料の耐久性」になります。数年前から軍艦島に試験体を設置し、経過観察のため年2回、島へ上陸しています。

コンクリートの再生とコンクリート仕上げ塗料の耐久性

山陽工業では、数年前から軍艦島に複数のコンクリート試験体を設置しています。

全てのコンクリート試験体には鉄筋が仕込まれており、これらを種類の異なる仕上げ用塗料でコーティング(=コンクリートに保護膜を作ること)しています。

コンクリートの主な劣化原因は「水」です。
海水や雨水を被ることによって年月が経つと同時に試験体は少しずつ劣化していきます。すると、試験体内部にある鉄筋が外部から浸入してきた水によって錆びていきます。結果、コンクリートの表面に錆汁が滲む・垂れるといった現象が起きるようになります。
これはコンクリート試験体にコーティングした塗料が劣化してしまったことを意味しています。

この時、流れていく錆汁の量が多いか少ないか、目立つか否かで試験体の劣化をある程度判断することができます。錆汁の量が多い=鉄筋の錆びている量が多い=試験体内部により多くの水が浸入している、という図式が成り立つからです。

山陽工業が設置したコンクリート試験体はどうなっているでしょうか。

コーティングが効いているおかげであまり錆汁が目立たない試験体もあれば、コンクリートの隙間から大量に漏れ出ている試験体もある等、反応は様々でした。

他にも水分や塩分がどのくらい含まれているか、光沢はどの程度か定量的にデータを取りながら経過観察を続けていきます。

鉄部用塗料の耐久性

建物の修繕工事を行う際に必須とも呼べる工程が鉄部塗装です。
鉄部は建物や構造物のありとあらゆる場所に組み込まれており、劣化症状が発生したら塗装作業を行って直してあげる必要があります。

鉄部塗装は、通常の外壁塗装よりも耐久性が短いです。
塗料の種類や建物の置かれている環境によって差異はありますが、一般的に耐用年数は3〜5年と言われています。経年劣化による症状としては、チョーキング(=塗料の色成分が粉状になって現れること)や塗装の変色・退色等が挙げられます。ですが、最も厄介なのは「サビ」と「サビによる腐食」です。これらは建物の美観を損なわせるだけでなく、鉄部の強度を著しく下げて脆く壊れやすくしてしまいます。

鉄部が金属である以上、サビの発生は避けられません。
そこで山陽工業では、お客様に最適な目安での修繕工事を推奨する傍ら、耐久性の高い塗料の提案を目指して、軍艦島に試験体を設置し、コンクリートブロックと同様に経過観察を行っています。

試験体の組み立てから設置まで
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種類・組み合わせ・塗り回数の異なる試験体(鉄板)を用意し、それらを隣り合わせに並べ、年数をかけて経過観察を行います。

また、今回の上陸で設置した新しい試験体とは別に、コンクリートブロック同様、数年前から経過観察を行っている鉄板があるので、そちらの様子もチェックします。

まずは数値を取ります。
試験体に専用の計測器を当てて、各鉄板の照度と輝度の数値を出します。この数値は試験体の成果を客観的に把握するための貴重なデータであり、定期的に採取することで塗装の耐久性を可視化することができます。記録したデータを持ち帰ったら、前回の上陸時からどのように変化したのか見比べておきます。

次は目視で確認します。
設置してからまだ3年経っていないため、塗装は全体的に綺麗な状態を保っていますが、ひとつだけ塗膜が大きく捲れている鉄板がありました。こちらは実験失敗ということになりますが、もう少し様子を見ます。すぐに回収するのではなく、発生した劣化がどの程度の速度でどのようなかたちに広がっていくのか、最後まで見届けます。

何故、わざわざ軍艦島で研究をする必要があるの?

軍艦島は、建物にとって天敵の島です。
四方を海に囲まれていることから常に潮風に晒され、毎年通過する台風によって豪雨と暴風に見舞われます。都市部とは比べ物にならない速さで建物や構造物は劣化してきます。ですが、このような過酷な環境だからこそ「耐久性」という非常に長い年数を必要とする研究に打ってつけなのです。
通常であれば、10年以上かけて変化してく構造物の劣化を、軍艦島ではより短い年月で観察することができます。

軍艦島の廃墟を巡る

一番の目的である新しい試験体の設置と既存の試験体のデータ収集が完了したら、迎えの船が来るまでの時間、通常は立ち入れない廃墟の内部や瓦礫の山の調査を行いました。
とは言っても全ての場所を自由に調査できるという訳ではなく、建物内部の階段を登ることが許されているのは軍艦島の廃墟の中でもごくわずかでした。それでも少し辺りを見渡せば、迫力のある廃墟を間近で調べることができます。

建物内部にも入ってみます。
照明が存在しないため全体的に薄暗く、足場には木材やガラスの破片も多く散らばっていました。ただ意外にも生活空間としての形を保っている部分もあり、島内の立地によって劣化の進行具合に大きな差が出ていることが分かります。

劣化箇所によっては、その形状を観察することで、どのように崩壊していったのか、廃墟になるまでの過程を予想できる部分もあります。

帰る頃には土砂降りだった雨も止んでいました!

僅か数時間という短い滞在時間でしたが、設置した試験体から新しい発見があった他、軍艦島の廃墟の痕跡を通じて多くの学術者の方々と意見を交換することができる等、技術面でも知識面でも非常に有意義な時間を過ごすことができました。

軍艦島で得た発見や知識を社内で共有し、実際の施工に活かせそうな技術は、試験施工を実施します。その上で建物のためになると判断できた場合のみ、お客様への提案内容の一つに組み込ませていただきます。

今回の貴重な経験を山陽工業の更なる発展に向けて活用していきます。

お客様に「安心な暮らし」をお届けするために

山陽工業は、創業以来黒字経営が経常化。
健全な企業体制を構築しています。良いと判断したものを積極的に取り入れ、時代を先取りした経営を心掛けています。工事物件が多いためメーカー等と企業間取引を行うことにより、材料代・工費などのコストを徹底して抑え、健全な経営を支えています。

私達は10年先、あるいは100年先まで健在する建物の実現を目指して、今後もどのような施工方法があるのか、建物にとって本当に良い材料とは何かを常に模索し続けています。

山陽工業では防水・塗装工事を中心に多種多様な専門工事サービスを提供しております。
住みながらの大規模修繕工事から立体駐車場の塗装、コンクリートの美観を復活させる工事など、幅広いにニーズにお応えしています。

全てはお客様に「安心な暮らし」をお届けするため。
皆様の住まいと資産を長く守り続けるために自分達は何をすべきか何ができるのか、今後も大学の皆さんと連携して建物の耐久性を追い求めるための共同研究を続けていきます。

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なぜ?コンクリートの建物で水漏れ…原因とおすすめの補修方法

コンクリートの建物で水漏れが発生!

・どこから水が入ってきているのかわからない…
・どうやって補修すればいいのかな?

そんなお悩みをお持ちのマンションやアパートのオーナー様・管理会社様、必見です!

頑丈なコンクリートでできた建物は、木造等他の素材でできた建物よりも水漏れに強いイメージがありますよね。
しかし、そんなコンクリートの建物でも、実は水漏れが発生することがあります。

今回は、弊社に多数寄せられるご相談の一つでもある、「コンクリートの建物なのに水漏れが発生する」というお悩みについて、その原因と補修方法を詳しくご紹介します。

1.コンクリートの建物で水漏れが起こる原因とは?
原因1:「ひげ」のようなひび割れ

水漏れの原因として最も多いのが、上の写真のような「ひげ」に似た放射状のひび割れです。
すぐ分かる大きなひび割れだけでなく、目に見えないほどの小さなひび割れも、コンクリートでは発生しやすいです。

コンクリートは乾燥によって収縮し、縦横の両方に力が働くことでひび割れが発生します。
そのひび割れた壁や天井の隙間から水が浸入し、水漏れが発生します。

原因2:シーリング材の劣化

次によく見られる水漏れの原因は、シーリング材の劣化です。シーリング材とは、外壁や窓サッシ等、建材同士がぶつかり合うことを防止するクッション材です。

最初は弾力があるシーリング材ですが、劣化すると硬くなり、ひび割れを起こしてしまいます。
このシーリング材のひび割れの隙間から水が浸入し、水漏れが発生します。

2.コンクリートの建物の水漏れ調査方法

コンクリートの建物で水漏れが発生する原因が分かったところで、次にその水漏れの原因の調査方法について詳しくご説明します。

Step1.目視調査

まずは水漏れが発生した建物の状態を目視で確認し、原因を調査します。水漏れの原因が比較的分かりやすい大きなひび割れ等であれば、すぐに特定できるでしょう。

しかし先述した通り、コンクリートには、目には見えないほど小さなひび割れも発生しやすいため、目視調査では原因を特定できないケースも少なくありません。

原因が分からないことには、補修はできません…そんな時は???

Step2.散水試験

目視で水漏れの原因が特定できなかった場合、雨を再現するために、実際に水を撒いて調査します。これを「散水試験」と呼びます。

散水栓等、水栓が近くにある場合は、一般的なホースで散水試験を行います。

散水栓が無い・一般的なホースの長さでは届かないような高い場所である場合等は、ブランコと呼ばれる足場や、高圧力で水を撒くことができる洗浄用の機械を使って散水試験を行います。(調査費用が発生します。)

ブランコによる散水試験

また、補修工事を行った直後に水漏れが再発した場合には、水漏れの原因箇所が複数あると考えられます。
その際は、全ての原因箇所を特定するために「発光液調査」を行うことも可能です。(調査費用が発生します。)

発光液調査とは、紫外線ライトを当てると発光する特殊な水を使った調査方法です。

例えば、下図のように、A・Bの2箇所が雨漏りの原因の候補だとします。
それぞれの箇所に異なる色の発光液をかけ、出てきた発光液に紫外線ライトを当てれば、その色によってA・Bのどちらか、もしくはA・Bの両方から水が漏れているのかが特定できるという仕組みです。

発光液調査は特殊な技術のため、他散水試験と比較すると高い費用が発生してしまいますが、何度も繰り返す水漏れにお困りの方はぜひご検討ください。

3.コンクリートの水漏れ、放置するとどうなるの?

水漏れが起こるのは雨が降ったときだけだからまぁいいか…
少し水漏れしているだけなら問題ないでしょ?

補修を行うとなると手間もお金もかかるため、そんな風に考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、水漏れを放置すると様々なリスクがあります。

室内での水漏れの場合

天井や壁等、お部屋の中で発生した水漏れを放置すると家具や家財が濡れ汚れてしまうだけでなく壊れてしまうこともあります。
また、漏れた水によりカビが発生し、健康被害に繋がる恐れもあります。
水が染みたりカビが発生している壁紙は当然見た目も良くないため、お部屋の居心地も悪くなってしまいます。

地下駐車場・駐輪場等での水漏れの場合

地下にある駐車場や駐輪場等で発生した水漏れを放置すると、室内と同様に車や自転車等、置いてあるものが濡れてしまいます。
自分の駐車・駐輪スペースがいつも水浸しだったら…利用している方も良い気持ちはしないですよね。

更に厄介なのが、漏れている水がサビ汚れ等を含んでいる場合、車や自転車についてしまうと簡単には落とすことができません。

水漏れによるこうした被害は、マンションやアパートのオーナー様・管理会社様にとって致命的な『お部屋の空室』に繋がってしまいます。

水漏れを発見したら、できるだけ早く対処することをおすすめします!

4.コンクリートの水漏れは自力で対処できるの?

軽微なひび割れであれば自力で補修することも可能かと思いますが、自力でのひび割れ補修は、あくまでも雨水の浸入を止める応急処置にしかなりません。

また、自力で補修した箇所を、後に専門業者が修繕する場合、時間やコストが余計に発生してしまうリスクもあります。
自力で行った「一時的な補修」が壁面に残っていると、それを撤去するところから作業を始めなければならないからです。

そのため、ひび割れ・水漏れ等コンクリートの劣化に気づいたら、自力で対処するより、早めに専門業者に相談する方が確実です。

特に、「コンクリート診断士」の資格を保有する専門業者に調査を依頼するといいでしょう。
コンクリート診断士とはその名の通り、コンクリートの劣化状況を見てその劣化の原因を診断する知識を持つ、言うなればコンクリートのプロです。

このひび割れは何が原因で発生したのか?
原因を診断した上で、どのように補修すべきか?

専門業者でも判断が困難なことがあるこのような疑問も、コンクリート診断士なら的確に判断することが可能です!

安く済ませようと思って自力で対処しても、余計にお金がかかってしまうかも…やっぱりプロに見てもらうのが安心ですね!

5.水漏れが起こったコンクリートの補修方法

コンクリートのひび割れによる水漏れが発生した場合、補修方法の種類は多数あります。

山陽工業で多く採用しているのは、Uカットシーリング工法という補修方法です。

Uカットシーリング工法では、ひび割れている部分を削り、そこを補修します。虫歯を削って治療するようなイメージです。

しかし、Uカットシーリング工法は幅0.3mm以上の比較的大きなひび割れに対応した補修方法です。
大きなひび割れから派生した幅0.3mm未満の小さなひび割れがあった場合、そこから水が浸入してしまう恐れがあります。

また、Uカットシーリング工法をはじめとした通常の補修方法は、コンクリートの表面のみを補修するため、コンクリートの内側に発生した水の通り道までは埋めることができません。

せっかく工事するなら、水漏れが再発しない強力な補修をしたい!おすすめはありますか?

6.おすすめ!IPH工法

山陽工業では、コンクリートの補修方法として「IPH工法」を推奨しています。

IPH工法とは、コンクリートの内部(Inside)に樹脂を注入し、加圧状態(Pressure)硬化(Hardening)させる工法です。
コンクリートの内部に発生した水の通り道を樹脂で満たすことで、水漏れを防止します。

樹脂注入の様子
IPH工法のメリット

先述したUカットシーリング工法を含む数ある通常の補修方法と比較すると、IPH工法には次のようなメリットがあります。

①水漏れの再発を防止

IPH工法では、通常の補修方法では困難な「目には見えないほどの小さなひび割れ」にも樹脂を注入することができます。
そのため、水漏れの原因となりうるひび割れを全て補修し、水漏れの再発を防止する高い効果が期待できます。

②建物を長寿命化

小さなひび割れを含むコンクリート内部の空隙(隙間)が樹脂で満たされることでコンクリートが補強され、建物の長寿命化に繋がります。
古くなり解体するしかないと言われている建物でも、IPH工法で補修することで解体せずに済むケースもあります。

③コンクリートの劣化を防止

IPH工法は、コンクリートの表面だけでなく、内部にある鉄筋周辺に発生した空隙にまで樹脂を注入することができます。
その結果、鉄筋が空気に触れなくなるため、鉄筋のサビを防止=コンクリートの劣化を防ぐことができます。

④ライフサイクルコストを低減

上記①~③の理由により、同じ場所が劣化して何度も工事が必要になる可能性が低くなります。
IPH工法は通常の補修方法よりも費用がかかりますが、一度の工事でしっかり劣化を補修することができるため、長い目で見ると金銭的にお得です。

⑤削ったり壊したりせずに補修が可能

通常の補修方法では必須である斫り作業(*)が、IPH工法では不要です。そのため、建物を傷つけずに補修を行うことが可能です。
コンクリートを削ったり壊したりする際に発生するゴミも少なく済み、廃棄にかかる費用が削減できるだけでなく、環境的なメリットもあります。

*斫り(はつり)作業とは…コンクリートの劣化箇所を削ったり砕いたりする作業のこと。

IPH工法で水漏れを止めた事例

耳なじみのない工法で不安や疑念を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、山陽工業では、IPH工法による水漏れ補修工事の実績が多数ありますのでご安心ください。

参考として、数年前にIPH工法で水漏れを止めた事例をご紹介しましょう。

とあるテナントビルのオーナー様より、「地下フロアを貸していたテナントが退去したので内装を全て撤去したところ、水が漏れて水溜まりができており、湿気もひどくて困っている」とご相談をいただきました。

建物の状況を確認してみると…
壁に複数の大きなひび割れが発生しており、そこから水が漏れて室内全体に広がってしまっていました。

このままでは次のテナントが入らない…と頭を抱えていらっしゃったオーナー様のために、山陽工業はIPH工法をご提案し、施工しました。

実際に水が漏れ出ていたひび割れ部分だけでなく、構造上水漏れの原因になりやすい入隅(*)にも樹脂を注入し、フロア全体をしっかりと補修しました。

*入隅(いりすみ)とは…下の写真のような、壁や床等の二つの平面が合わさった箇所の内側の角のこと。

その結果、全ての箇所の水漏れを止めることができました!

その数か月後には無事テナントが入ったそうで、オーナー様からは「あまりにも水漏れの状況が酷く、もう建物自体壊すしかないのかと不安だったが、IPH工法でしっかり補修してもらえて本当に良かった」と、大変ありがたいお言葉をいただきました。

7.コンクリートの水漏れ調査・補修は山陽工業へ!

水漏れが発生したけれど、どうしたらいいのか分からない!
水がどこから入っているのか、どこを補修すべきなのか分からない!

そのお悩み、山陽工業が解決します!

山陽工業には、先述した「コンクリート診断士」の資格や、「一級建築施工管理技士」の資格を保有する建物のプロが多数在籍しています。
お客様の大切な建物を隅々まで調査し、豊富な知識と経験を活かして、多数の補修方法の中から建物ひとつひとつに合った最適な方法をご提案いたします。
調査結果は、写真付きの報告書にまとめて分かりやすくご説明いたしますので、ご安心ください。

【サンプル】写真付き報告書

調査・お見積は無料で承っています。
水漏れの有無に関わらず、まずはお気軽にご相談ください!

記事内でご紹介したIPH工法については、こちらのページでより詳しくご説明しています。

IPH工法で水漏れ補修を行った現場についての記事もございます。併せてご覧ください。

この記事を書いた人 山陽工業 かおり

・山陽工業で働く1児の母(2015年入社)
・「こんなこともやっているんだ!」と知っていただける、比較的小規模な工事や少し特殊な工事についての記事を主に投稿します。

★小規模工事についての記事一覧はこちらをクリック

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山陽工業2Fオフィスの丸ごとリフォーム工事

山陽工業2Fオフィスの丸ごとリフォーム工事

突然ですが「居心地の良いオフィス」と聞かれたとき、皆さんはどのようなものを思い浮かべますか?

社員同士の良好な人間関係、ストレスのない職場環境など、色々な要素が挙げられますが、山陽工業ではその中でも「仕事がしやすい」「リラックスした環境で仕事ができる」といったオフィス環境を重要視してきました。

オフィスの快適性を高めることは、社員の働きやすさや仕事のモチベーションに直結し、やがて工事の品質にも影響します。社員のため・よりクオリティの高い仕事のため、山陽工業では2Fオフィスをリフォームをすることにしました!

具体的には天井・壁・水回りのリニューアルや室内の間仕切りなど、全面に渡って大改造を行います。

今回も工事の様子をブログにて解説していきます。屋内・室内のリフォームや内装工事そのものに興味がある方、そうでない方にとっても何かしらの参考になればと思います。

工事開始時の養生作業の様子。
何故、オフィスをリフォームしようと思ったの?

山陽工業の社内はもともとこのような内装になっていました。全体的に白色の割合が多く、扉は山陽工業のテーマカラーである青色で、工事後の内装と比べるとやや真面目で普通のオフィスな印象があります。

特別仕事の妨げになるような弊害は無く、このままでも十分綺麗な空間です。しかし山陽工業の場合、現状が普通というからにはさらに魅力的な空間に変えられるのではないか?と考えるようになりました。
実際、工事前と工事後で2Fのオフィスの印象は大きく変化しました。

普段から社内にて仕事をしている女性社員達の意見を参考に、心が落ち着ける空間には何が必要なのか、どこを変える必要があるのかインテリア雑貨の配置などを含めたデザイン・設計を行いました。

【天井】撤去と塗装

まず初めに、天井の化粧板を剥がします。隠れていたエアコンやそのコードがあらわになりました。

既存の設備の撤去が一通り完了すると、白く平らだった天井が一転して無骨な雰囲気を醸し出すようになりました。
ここからは剥き出しになった梁やエアコンの構造に沿って、天井の見た目を整えていきます。

まずは躯体の補修を行います。目地の隙間やひび割れ・亀裂をモルタルで埋めていきます。補修が完了したら、その上からさらにモルタルを塗り重ねて下地を作っていきます。コンクリートの保護と塗装の見栄えを良くするために、優しく均一に塗っていきます。

モルタルの下地作りと並行して、天井に新しいエアコンや配線・ダクト関係を取り付けていきます。これまでは化粧板の裏側に隠すことができましたが、天井を抜いてしまった以上、複雑な配線周りも見た目を整えていく必要があります。

このようなグルグル状態のコードは撤去してしまいましょう。

古いエアコンは取り去って新しいエアコンを設置します。ダクトは最低限の配線で済むようまとめていきます。

天井が綺麗に整備されました!
化粧板に隠れていた空間が表に出てきたことや、天井の設備を整えたことで、オフィス全体に少しずつ開放感が出てきたように見えます。

ここでようやく天井の塗装作業に入っていきます。
エアコンやそのダクトを細かく養生してから、仕上げ材の密着性を良くするのとモルタル下地の保護を目的とした下塗り材を塗ります。

下塗り材が乾いたら、仕上げの塗装としてリシン吹き付けを行っていきます。
リシン吹き付けというのは、モルタル下地を仕上げる際の材料の一種です。吹き付けると小さな砂粒が散らばったようなパラパラ・ザラザラ感のある凹凸ができあがります。

リシン吹き付けの特徴
*費用が安い。
*艶感を抑え、落ち着いた高級感のある仕上がりに。
*通気性・透湿性が高い=壁に含まれる湿気を排出しやすいので木材の腐敗が進みにくい。
*吹き付け工法は施工の際にアスベストを含んでしまうことがあるがリシンは安全。

これを天井に吹き付けていくと・・・

小さな凹凸と艶のない白さが高級感を醸し出す、素敵な天井になりました!

【水回り】撤去

水回りの設備も撤去します。

キッチンに関しては、必要スペースを新たに設計した上で天井や壁の一部をまるごと撤去しました。

その後、形鋼(かたこう)と石膏ボードで新しい壁を作ります!

外から見るとこのような作りになっています。

玄関扉の周囲にもこのように新しい壁を設置しました。

水回りの撤去と間仕切りの作業がひと段落したところで、一度オフィス内の壁全面を塗装します。新しいトイレやキッチンの設置は、壁と床の塗り替え・張り替え作業を完了させてから行いましょう。

【壁】塗り替えとタイル張り付け

工事前のオフィスの壁は、四面全てが白い壁紙に覆われたシンプルな空間でした。蛍光灯の光も合わさってか、やや無機質で人工的な印象を受けました。

そんな印象を敢えて脱却し、暖かみと落ち着きのある空間を作るべく、オフィスの壁を壁紙から塗装へリフォームすることに決めました。

塗装作業は一度全ての壁紙を剥がしてから行うので、工事期間と作業量から費用が高くなりがちというデメリットがありますが、壁紙には出せない質感や豊富なカラーを取り揃えており、部屋全体を自然感のある仕上がりにすることが可能です。

内装にどことなく情緒的な雰囲気をもたらしたい方にはオススメの選択肢です!

今回は、珪藻土(けいそうど)と呼ばれる壁材を塗っていきます。珪藻というのは藻の一種であり、海や湖の底に積もった遺骸に泥や化学繊維等を混ぜて使用される材料となっています。

珪藻土の特徴
*部屋の中の湿度を安定させる調湿力が高い。
*耐火性や消臭性といった機能を兼ね備えている。
*櫛で引いたような模様を作ることで落ち着きのある仕上がりになる。

ひとくちに櫛引と言っても、コテを動かす方向や角度によっていくつかのパターンを作ることができます。どのデザインが山陽工業のオフィスの雰囲気に似合うか、社員の意見を聞きながら最良と思うパターンを選びました。

新しく作った壁にはタイルを張っていきましょう。
まずは左官作業です。タイルを貼るための接着モルタルをしっかり塗っていきます。

その後、一枚ずつタイルを貼っていきます。

この時、タイル同士の隙間に爪楊枝を刺して目地を作っていきます。

タイルのデザインは、どのような色合いや模様が珪藻土の壁と合うか考えながら決めました。

その後、内装設備の設置や窓枠の仕上げ等、壁回りの仕上げを進めていきました。

【床】張り替え

まずはOAフロアを設置し、床の上から一定の空間を確保します。そうすると、この黒いプラスチックの下にネットワーク配線等のコードを隠すことができます。

OAフロアの設置と配線の収納作業が完了したら、灰色の模様付きタイルカーペットを敷き詰めていきます。

水回りの床はカーペットではなく、濡れても掃除がしやすいようタイルを張りました。木目調のデザインが印象的ですが、実はこの下にも沢山のコードが収納されています。

床全面のリフォーム作業が完了したら、机・棚・椅子などのオフィス家具や水回りの設備を運び入れていきます。

段々と新しいオフィスの完成が見えてきました!

【玄関周り・外看板】新しく設置したもの

会社の顔とも呼べる玄関には山陽工業ならではのこだわりを取り入れています。

縦長に直立する銀色のインターフォンには山陽工業のロゴと各階の簡単な説明が刻まれており、強い存在感を放っています。

玄関扉にはダイノックシートと呼ばれる意匠性の高さが特徴的なシートを貼り付けました。ダイノックシートは普通の壁紙と比較すると費用がかかりますが、モチーフとなる素材の質感を再現することができ、耐久性にも優れています。

玄関の扉を開いて真正面にあたる位置に、ステンレス切り文字による山陽工業のロゴを設置しました。会社を訪れた人々によりスマートな印象を持ってもらえるよう、地面からの高さと大きさを吟味した上で設置していきます。

オフィスが入っているビルの外には、山陽工業の看板を新しく設置します。

工事完了!

オフィスの運用に必要な道具を運び込めば、リフォーム完了です!
照明は蛍光灯ではなく新たにレールライトを設置しました。仕事に集中するための昼白色のライトと、部屋の雰囲気を演出するための電球色のライトをオフィスの場所によって付け分けます。

BeforeとAfterをもう一度見比べてみます。

会社 オフィス 内装 リフォーム 工事 施工前会社 オフィス 内装 リフォーム 工事 施工後
会社 オフィス 内装 リフォーム 工事 施工前会社 オフィス 内装 リフォーム 工事 施工後

水回りにもモダンな雰囲気が漂っています。

落ち着きと暖かみのある素敵なオフィスになりました!

山陽工業では防水・塗装工事を中心に多種多様な専門工事サービスを提供しております。住みながらの大規模修繕工事から立体駐車場の塗装、コンクリートの美観を復活させる工事など、幅広いニーズにお応えします。

以下、山陽工業の施工実績の一例となります↓

追記 : 山陽工業の内装がさらに進化しました!