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なぜ?コンクリートの建物で水漏れ…原因とおすすめの補修方法

頑丈なコンクリートでできた建物は、水漏れに強いイメージがありますよね。しかし、そんなコンクリートの建物でも、実は水漏れが発生することがあります。今回は、その原因と補修方法について詳しくご紹介します。

コンクリートの建物で水漏れが発生!

・どこから水が入ってきているのかわからない…
・どうやって補修すればいいのかな?

そんなお悩みをお持ちのマンションやアパートのオーナー様・管理会社様、必見です!

頑丈なコンクリートでできた建物は、木造等他の素材でできた建物よりも水漏れに強いイメージがありますよね。
しかし、そんなコンクリートの建物でも、実は水漏れが発生することがあります。

今回は、弊社に多数寄せられるご相談の一つでもある、「コンクリートの建物なのに水漏れが発生する」というお悩みについて、その原因と補修方法を詳しくご紹介します。

1.コンクリートの建物で水漏れが起こる原因とは?
原因1:「ひげ」のようなひび割れ

水漏れの原因として最も多いのが、上の写真のような「ひげ」に似た放射状のひび割れです。
すぐ分かる大きなひび割れだけでなく、目に見えないほどの小さなひび割れも、コンクリートでは発生しやすいです。

コンクリートは乾燥によって収縮し、縦横の両方に力が働くことでひび割れが発生します。
そのひび割れた壁や天井の隙間から水が浸入し、水漏れが発生します。

原因2:シーリング材の劣化

次によく見られる水漏れの原因は、シーリング材の劣化です。シーリング材とは、外壁や窓サッシ等、建材同士がぶつかり合うことを防止するクッション材です。

最初は弾力があるシーリング材ですが、劣化すると硬くなり、ひび割れを起こしてしまいます。
このシーリング材のひび割れの隙間から水が浸入し、水漏れが発生します。

シーリング材が使用されている場所

・外壁目地
・室内水まわり
・サッシまわり 等

そしてシーリング材は、5年~10年で寿命を迎えると言われています。
ですが、使用されるシーリング材の種類や環境等によって劣化の速度に違いが出るので、シーリング材の劣化状況を都度確認しておく必要があります。

2.コンクリートの建物で水が染み出る箇所

コンクリートの建物では、天井・壁・床・地下駐車場・エレベーターピット等で水が染み出る場合があります!

①天井

●発生原因
建物の屋根や屋上・上階の防水層の劣化部分から浸入した水がひび割れを通り、室内に水漏れを発生させます。

②壁

●発生原因
外壁やシーリング、開口部まわりにひび割れがあると、そこから雨水が浸入し壁から水漏れを発生させます。

③床

●発生原因
壁と同じく、外壁やシーリング・開口部まわりにひび割れがあると、そこから雨水が浸入して入隅(*)から水漏れを発生させます。

*入隅(いりすみ)とは…壁や床等の二つの平面が合わさった箇所の内側の角のこと。

④地下駐車場

●発生原因
地下水や湧水等が、壁や床のひび割れ・コンクリートの打継部を通り水漏れを発生させます。

詳しい施工事例をご紹介している記事はこちら↓

⑤エレベーターピット

地下に染み込んだ雨や湧水が、入隅や床のひび割れを通り水漏れを発生させます。

詳しい施工事例をご紹介している記事はこちら↓

3.コンクリートの建物の水漏れ調査方法

コンクリートの建物で水漏れが発生する原因が分かったところで、次にその水漏れの原因の調査方法について詳しくご説明します。

Step1.目視調査

まずは水漏れが発生した建物の状態を目視で確認し、原因を調査します。水漏れの原因が比較的分かりやすい大きなひび割れ等であれば、すぐに特定できるでしょう。

しかし先述した通り、コンクリートには、目には見えないほど小さなひび割れも発生しやすいため、目視調査では原因を特定できないケースも少なくありません。

原因が分からないことには、補修はできません…そんな時は???

Step2.散水試験

目視で水漏れの原因が特定できなかった場合、雨を再現するために、実際に水を撒いて調査します。これを「散水試験」と呼びます。

散水栓等、水栓が近くにある場合は、一般的なホースで散水試験を行います。

散水栓が無い・一般的なホースの長さでは届かないような高い場所である場合等は、ブランコと呼ばれる足場や、高圧力で水を撒くことができる洗浄用の機械を使って散水試験を行います。(調査費用が発生します。)

ブランコによる散水試験

また、補修工事を行った直後に水漏れが再発した場合には、水漏れの原因箇所が複数あると考えられます。
その際は、全ての原因箇所を特定するために「発光液調査」を行うことも可能です。(調査費用が発生します。)

発光液調査とは、紫外線ライトを当てると発光する特殊な水を使った調査方法です。

例えば、下図のように、A・Bの2箇所が雨漏りの原因の候補だとします。
それぞれの箇所に異なる色の発光液をかけ、出てきた発光液に紫外線ライトを当てれば、その色によってA・Bのどちらか、もしくはA・Bの両方から水が漏れているのかが特定できるという仕組みです。

発光液調査は特殊な技術のため、他散水試験と比較すると高い費用が発生してしまいますが、何度も繰り返す水漏れにお困りの方はぜひご検討ください。

4.コンクリートの水漏れ、放置するとどうなるの?

水漏れが起こるのは雨が降ったときだけだからまぁいいか…
少し水漏れしているだけなら問題ないでしょ?

補修を行うとなると手間もお金もかかるため、そんな風に考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、水漏れを放置すると様々なリスクがあります。

室内での水漏れの場合

天井や壁等、お部屋の中で発生した水漏れを放置すると家具や家財が濡れ汚れてしまうだけでなく壊れてしまうこともあります。
また、漏れた水によりカビが発生し、健康被害に繋がる恐れもあります。
水が染みたりカビが発生している壁紙は当然見た目も良くないため、お部屋の居心地も悪くなってしまいます。

地下駐車場・駐輪場等での水漏れの場合

地下にある駐車場や駐輪場等で発生した水漏れを放置すると、室内と同様に車や自転車等、置いてあるものが濡れてしまいます。
自分の駐車・駐輪スペースがいつも水浸しだったら…利用している方も良い気持ちはしないですよね。

更に厄介なのが、漏れている水がサビ汚れ等を含んでいる場合、車や自転車についてしまうと簡単には落とすことができません。

水漏れによるこうした被害は、マンションやアパートのオーナー様・管理会社様にとって致命的な『お部屋の空室』に繋がってしまいます。

水漏れを発見したら、できるだけ早く対処することをおすすめします!

5.コンクリートの水漏れは自力で対処できるの?

軽微なひび割れであれば自力で補修することも可能かと思いますが、自力でのひび割れ補修は、あくまでも雨水の浸入を止める応急処置にしかなりません。

また、自力で補修した箇所を、後に専門業者が修繕する場合、時間やコストが余計に発生してしまうリスクもあります。
自力で行った「一時的な補修」が壁面に残っていると、それを撤去するところから作業を始めなければならないからです。

そのため、ひび割れ・水漏れ等コンクリートの劣化に気づいたら、自力で対処するより、早めに専門業者に相談する方が確実です。

特に、「コンクリート診断士」の資格を保有する専門業者に調査を依頼するといいでしょう。
コンクリート診断士とはその名の通り、コンクリートの劣化状況を見てその劣化の原因を診断する知識を持つ、言うなればコンクリートのプロです。

このひび割れは何が原因で発生したのか?
原因を診断した上で、どのように補修すべきか?

専門業者でも判断が困難なことがあるこのような疑問も、コンクリート診断士なら的確に判断することが可能です!

安く済ませようと思って自力で対処しても、余計にお金がかかってしまうかも…やっぱりプロに見てもらうのが安心ですね!

6.水漏れが起こったコンクリートの補修方法

コンクリートのひび割れによる水漏れが発生した場合、補修方法の種類は多数あります。

山陽工業で多く採用しているのは、Uカットシーリング工法という補修方法です。

Uカットシーリング工法では、ひび割れている部分を削り、そこを補修します。虫歯を削って治療するようなイメージです。

しかし、Uカットシーリング工法は幅0.3mm以上の比較的大きなひび割れに対応した補修方法です。
大きなひび割れから派生した幅0.3mm未満の小さなひび割れがあった場合、そこから水が浸入してしまう恐れがあります。

また、Uカットシーリング工法をはじめとした通常の補修方法は、コンクリートの表面のみを補修するため、コンクリートの内側に発生した水の通り道までは埋めることができません。

せっかく工事するなら、水漏れが再発しない強力な補修をしたい!おすすめはありますか?

7.おすすめ!IPH工法

山陽工業では、コンクリートの補修方法として「IPH工法」を推奨しています。

IPH工法とは、コンクリートの内部(Inside)に樹脂を注入し、加圧状態(Pressure)硬化(Hardening)させる工法です。
コンクリートの内部に発生した水の通り道を樹脂で満たすことで、水漏れを防止します。

イメージ動画もありますのでご覧ください。

IPH工法のメリット

先述したUカットシーリング工法を含む数ある通常の補修方法と比較すると、IPH工法には次のようなメリットがあります。

①水漏れの再発を防止

IPH工法では、通常の補修方法では困難な「目には見えないほどの小さなひび割れ」にも樹脂を注入することができます。
そのため、水漏れの原因となりうるひび割れを全て補修し、水漏れの再発を防止する高い効果が期待できます。

②建物を長寿命化

小さなひび割れを含むコンクリート内部の空隙(隙間)が樹脂で満たされることでコンクリートが補強され、建物の長寿命化に繋がります。
古くなり解体するしかないと言われている建物でも、IPH工法で補修することで解体せずに済むケースもあります。

③コンクリートの劣化を防止

IPH工法は、コンクリートの表面だけでなく、内部にある鉄筋周辺に発生した空隙にまで樹脂を注入することができます。
その結果、鉄筋が空気に触れなくなるため、鉄筋のサビを防止=コンクリートの劣化を防ぐことができます。

④ライフサイクルコストを低減

上記①~③の理由により、同じ場所が劣化して何度も工事が必要になる可能性が低くなります。
IPH工法は通常の補修方法よりも費用がかかりますが、一度の工事でしっかり劣化を補修することができるため、長い目で見ると金銭的にお得です。

⑤削ったり壊したりせずに補修が可能

通常の補修方法では必須である斫り作業(*)が、IPH工法では不要です。そのため、建物を傷つけずに補修を行うことが可能です。
コンクリートを削ったり壊したりする際に発生するゴミも少なく済み、廃棄にかかる費用が削減できるだけでなく、環境的なメリットもあります。

*斫り(はつり)作業とは…コンクリートの劣化箇所を削ったり砕いたりする作業のこと。

IPH工法で水漏れを止めた事例

耳なじみのない工法で不安や疑念を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、山陽工業では、IPH工法による水漏れ補修工事の実績が多数ありますのでご安心ください。

参考として、数年前にIPH工法で水漏れを止めた事例をご紹介しましょう。

とあるテナントビルのオーナー様より、「地下フロアを貸していたテナントが退去したので内装を全て撤去したところ、水が漏れて水溜まりができており、湿気もひどくて困っている」とご相談をいただきました。

建物の状況を確認してみると…
壁に複数の大きなひび割れが発生しており、そこから水が漏れて室内全体に広がってしまっていました。

このままでは次のテナントが入らない…と頭を抱えていらっしゃったオーナー様のために、山陽工業はIPH工法をご提案し、施工しました。

実際に水が漏れ出ていたひび割れ部分だけでなく、構造上水漏れの原因になりやすい入隅にも樹脂を注入し、フロア全体をしっかりと補修しました。

その結果、全ての箇所の水漏れを止めることができました!

その数か月後には無事テナントが入ったそうで、オーナー様からは「あまりにも水漏れの状況が酷く、もう建物自体壊すしかないのかと不安だったが、IPH工法でしっかり補修してもらえて本当に良かった」と、大変ありがたいお言葉をいただきました。

8.コンクリートの水漏れ調査・補修は山陽工業へ!

水漏れが発生したけれど、どうしたらいいのか分からない!
水がどこから入っているのか、どこを補修すべきなのか分からない!

そのお悩み、山陽工業が解決します!

山陽工業には、先述した「コンクリート診断士」の資格や、「一級建築施工管理技士」の資格を保有する建物のプロが多数在籍しています。
お客様の大切な建物を隅々まで調査し、豊富な知識と経験を活かして、多数の補修方法の中から建物ひとつひとつに合った最適な方法をご提案いたします。
調査結果は、写真付きの報告書にまとめて分かりやすくご説明いたしますので、ご安心ください。

【サンプル】写真付き報告書

調査・お見積は無料で承っています。
水漏れの有無に関わらず、まずはお気軽にご相談ください!

なお、対応エリアは以下の通りです。

また、記事内でご紹介したIPH工法については、こちらのページでより詳しくご説明しています。

この記事を書いた人 山陽工業 かおり

・山陽工業で働く1児の母(2015年入社)
・「こんなこともやっているんだ!」と知っていただける、比較的小規模な工事や少し特殊な工事についての記事を主に投稿します。

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