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知らないと損する!屋上防水の見直しと助成金活用/雨漏りリスクを防ぐ方法

太陽光パネルを設置した“その数年後”、雨漏りで後悔しないために。
防水を後回しにした場合のリスクや、同時施工で防げるトラブルについて、実際の施工事例と助成金の考え方から具体的に解説した記事です。

太陽光パネル設置検討中の方、防水材の状態も見直しませんか?

屋上に太陽光パネルの設置を検討する際、意外と見落とされがちなのが防水状態です。

防水材が劣化したまま設置してしまうと、後から雨漏りが発生し、太陽光パネルの脱着を伴う大がかりな修繕につながることもあります。

また、自治体によっては太陽光パネル設置を伴う工事が補助金の対象となる場合もあり、防水工事を同時に行うことで計画の幅が広がることがあります。

本記事では、実際の施工事例をもとに、
太陽光パネル設置前に確認しておきたい防水材の劣化ポイントや、同時施工のメリットも解説します。

太陽光パネルの設置を検討しているビル・マンションオーナーの方は、ぜひ最後までご覧ください!

01.太陽光パネル設置と防水工事を同時に行うメリット

屋上に太陽光パネルの設置を検討する際、
意外と後回しにされがちなのが防水工事のタイミングです。

「まだ雨漏りしていないから大丈夫」
「太陽光パネルの工事とは別のタイミングで考えればいい」

そう判断して設置を進めてしまうと、
数年後に防水材の劣化が原因で雨漏りが発生し、
太陽光パネルの脱着を伴う大がかりな修繕が必要になるケースもあります。

(1)太陽光パネルは“長く使う設備”

太陽光パネルは、20年前後の使用を前提とした設備です。
一度設置すると簡単には動かせないため、
設置前の屋上状態がその後の維持管理に大きく影響します。

そのため近年では、
太陽光パネルの設置計画とあわせて、
屋上防水材の状態を事前に確認・見直す考え方が一般的になりつつあります。

(2)防水材を同時に見直すことで得られる安心

太陽光パネル設置前に防水工事を行うことで、

 将来的な雨漏りリスクを抑えられる
 太陽光パネル撤去を伴う再工事の可能性を減らせる
 太陽光パネル設置を前提とした防水仕様を選びやすい

といったメリットがあります。

防水工事は「いつ・どのタイミングで行うか」が重要になります。

(3)東京都内では助成金制度を活用できる可能性も

東京都内の陸屋根を持つ集合住宅では、
太陽光発電の導入を支援する助成制度が用意されているケースがあります。

太陽光パネルの設置を伴う工事であれば、
屋上防水工事を含めた計画として検討できる場合もあり、
条件次第では実質的なご負担額を抑えた工事につながる可能性があります。

※ 助成制度の適用可否や内容は、建物条件や工事内容によって異なります。助成制度については、2026年1月時点での情報です。

だからこそ先に「防水材の状態」の確認を行うことが重要です!

助成制度の有無に関わらず、
太陽光パネル設置を検討している段階で
一度、防水材の状態を確認しておくことが重要です。

次章では、実際の施工前写真をもとに、
太陽光パネル設置前に見落とされがちな防水材の劣化ポイントを見ていきます。

02.見落とされがちな防水材の劣化進行サイン

太陽光パネルの設置を検討する際、
「雨漏りしていない=問題ない」と判断してしまうケースは少なくありませんが、太陽光パネル設置後にトラブルが表面化することもあります。

防水材の劣化というと、ひび割れ(クラック)を想像される事が多いかと思いますが、実際はクラックが出る前に段階的な変化が現れます。

ここでは、太陽光パネル設置前に確認しておきたい防水材劣化の進行サインを紹介します。

劣化サイン① 表面のツヤ消失・色ムラ

防水材表面のツヤがなくなり、白っぽさや色ムラが出ている場合は、トップコートが劣化しているサインです。
見た目以上に防水性能が低下している可能性があります。

劣化サイン② 汚れが落ちにくい

洗浄しても汚れが残る場合、防水材表面が劣化し、水分や汚れを吸いやすくなっています。

劣化サイン③ 雨上がりの乾きムラ

雨が上がった後、一部だけ乾きが遅い箇所がある場合、下地の勾配が十分に取れておらず、水が流れ切らずに滞留している可能性があります。
太陽光パネル設置後は確認しづらくなるため注意が必要です。

劣化サイン④ 立ち上がり・端部の色変化

立ち上がりや端部の色ムラや汚れ筋は、防水材の弱点部分が劣化しているサインです。
雨漏りはこうした取り合い部から発生するケースが多く見られます。

劣化サイン⑤ ひび割れ(クラック)

ひび割れ(クラック)は分かりやすい劣化症状ですが、多くの場合、防水材劣化の後半で現れます。
初期サインを見逃さないことが重要です。

太陽光パネルは一度設置すると簡単には取り外せません。
太陽光パネル設置前に防水材の状態を正しく把握しておくことが重要です!

03.ビフォー|太陽光パネル設置前に確認したい防水材の現状

今回取材したのは、都内にあるビルの屋上とバルコニーです。
屋上に太陽光パネルの設置を予定しており、設置前のタイミングで既存のウレタン防水の状態を確認しました。

一見すると大きな破損は見られませんが、屋上やバルコニー全体を見ると経年劣化による傷みが進行している状態でした。

屋上の状態
バルコニーの状態

04.【施工事例】ウレタン防水工事と太陽光パネル設置の進め方

足場の設置・既存ソーラーパネルの撤去後、防水工事に着手します。

太陽光パネル撤去前

ウレタン防水工事

(1)下地処理(清掃・既存防水層の撤去)

最初に行うのが、防水性能を左右する下地処理です。

バルコニーではブロワーを使ってゴミや砂を除去し、立ち上がり部分に残っていたバリを削り取ります。

バリとは、材料を切断・加工した際に、端部に残る不要なギザつきのことです!

あわせて、既存の改修ドレンもバールなどを使用しながら撤去します。

屋上部分では、立ち上がりの一部に残っていた既存の防水材を取り除きました。


内側に見えるオレンジ色の部分は、過去の工事で使用された接着剤やプライマーの名残です。

立上り部は、紫外線・雨の影響や、端部が多く動きが出やすい事などから劣化が集中しやすく、今回の場合は一度リセットが必要と判断しました。

こうした部分も含めて状態を確認しながら、改修ドレンと既存防水層を撤去していきました。

(2)プライマー塗布

下地の状態を整えた後、プライマーの塗布を行います。


これから新しく施工する防水層の定着を高めるため、ローラーを使ってムラが出ないよう均一に施工します。
青色のプライマーを使用することで、塗り残しがないかを目視で確認しやすくなっています。

(3)改修ドレンの交換・取り付け

続いて、改修ドレンの交換作業です。

新しいドレンを設置するために鉛板を切り取り、サイズを調整。ハンマーで叩きながら下地に密着させ、防水下地処理用のシール材でしっかり固定します。

排水機能を確保する重要な工程です。

(4)防水層の形成(ウレタン防水)

最後に、防水層を形成していきます。

内部に湿気がこもらないよう通気用の穴あけを行い、
その上からロール状の通気緩衝シートを貼り付けます。
継ぎ目はジョイントテープで丁寧に繋げました。

ウレタン防水では、下地の動きやひび割れによる防水層の割れを防ぐため、メッシュシートを貼り付けて補強を行います。

その上からウレタン防水材を2回塗布。
最後にトップコートを塗布し、防水層の耐久性と安定性を高めています。

(5)防水層完成
バルコニー
屋上

防水層は全体的に均一な仕上がりに。
立ち上がりや端部、ドレン周りなど、雨漏りリスクの高い箇所もしっかりと丁寧に施工が行われました。

これらの工程を経て防水工事を完了させた後、改めて太陽光パネルの設置へ。

防水工事と太陽光パネル設置を同時に計画することで、将来的な雨漏りリスクや再工事の可能性を抑えることができます!

太陽光パネル設置工事

(1)架台設置・配線準備

まず、設置する太陽光パネルの寸法に合わせて屋上に「墨出し」を行います。


そのラインに沿って、コンクリート製の架台を設置。

あらかじめビス用の穴が空いているため、スムーズに太陽光パネル設置が進められるようになっています。

同時に、太陽光パネル設置後に必要となる配線も事前に配置。
この段階で配線ルートを確保しておくことで、作業効率と仕上がりの精度を高めます。

(2)太陽光パネル設置・配線工事

続いて、設置した架台に合わせて太陽光パネルを順に設置していきます。


太陽光パネルの固定と並行して配線工事も進行しますが、この作業は電気工事士(二種)の資格を持つ作業員でなければ行えません。

設置後も、角度や位置の微調整を行い、発電効率と安全性の両立を図ります。

(3)発電設備の接続(パワーコンディショナー)

太陽光パネルで発電された電気は直流のため、そのままでは建物内で使用できません。
そこで、直流を交流に変換するパワーコンディショナーを設置し、初めて発電・使用が可能になります。

これで防水工事と太陽光パネルの設置、両方が完了しました!

05.アフター|ウレタン防水施工後・太陽光パネル設置後

防水工事と太陽光パネルの設置が完了した屋上の様子です。

通気処理を行ったシート防水とウレタン防水の組み合わせにより、 内部に湿気がこもりにくく、長期的な安定性が期待できます!

06.まとめ|太陽光パネル設置前に防水材を見直す重要性

太陽光パネルは、長期間(約20年)使い続ける設備です。
だからこそ、設置前の屋上防水材の状態が、その後の安心を大きく左右します。

今回の事例のように、

  • 太陽光パネル設置前に防水材の劣化状況を確認する
  • 必要に応じて防水工事を同時に行う
  • 将来的な雨漏りや再工事のリスクを抑える

こうした考え方は、ビル・マンションの維持管理において有効です。

助成制度の有無に関わらず、
「今の防水材が、太陽光パネルを設置できる状態かどうか」
を一度整理しておくことが、無理のない計画につながります。

山陽工業では、
太陽光パネル設置を見据えた屋上防水材の状態確認や、
建物の状況に応じた防水工事のご相談を承っています。

太陽光パネルの設置をご検討中のビル・マンションオーナー様は、まずは防水材の状態確認から、お気軽にご相談ください!

この記事を書いた人 山陽工業 しほ

・2025入社の新人営業部
・広報として現場取材で得た情報や、施工の魅力をお届けします!

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